Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Vino_Nobile_di_Montepulciano

De’Ricci Soraldo Vino Nobile di Montepulciano Riserva 2016

ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノです。「モンテプルチアーノの高貴なワイン」という意味ですから気分は上がります。その歴史は古く、中世の記録でも記述があるそうです。Vino Nobile di Montepulciano という言葉が歴史上初めて使われたのは1530年のことらしいです。過去に同じ作り手の Vino Nobile di Montepulciano DOCG を試しているんですが、あまりにおいしかったので今回その上級になるリゼルヴァ(Riserva)をいただいてみます。

IMG_7738
作り手の名前は「リッチ家」のワイナリーってことなんですが、リッチ家の歴史は1150年までさかのぼるそうです。歴史が古いだけあって、なんとモンテプルチアーノの集落の一段高い所にある Palazzo Ricci という大聖堂の中にワイナリーがあります。(1562年に建設されたという、モンテプルチアーノで最も美しいルネッサンス様式の宮殿の1つだそうで。)
ラベルに「太陽の下にいるハリネズミ」のイラストがありますが、リッチ家のご先祖様がハリネズミの行動を見ることで天気を予測することができたそうで、リッチョ(Riccio=イタリア語でハリネズミ)というニックネームをもらい、リッチ家の名前の由来になったそうです。


公式ページは、さすが歴史ある作り手。歴史詳細ほか豊富な写真入りで解説しています。

ワインはイタリア語ページにデータシートはありました。

・サンジョヴェーゼ 100%

なぜかセパージュが書いてないので、おそらくこうだと思って書いています。「Vino Nobile di Montepulciano DOCG」の規定では、サンジョヴェーゼは70%以上であればよく、その他赤品種を30%までブレンドしてよいことになっています。白品種も5%までならブレンド可です。なのでセパージュは書いておいてもらわないと困るんですよね~。
熟成は、トノー(900L)と20~25hl の大樽の混成で24ヶ月、その後ボトルでもう12ヶ月寝かせます。「Vino Nobile di Montepulciano DOCG」の「Riserva」の規定では、樽での12ヶ月+ボトルで6ヶ月を含む3年の熟成が義務付けられていますが当然クリアしていますね。因みに Riserva ではない通常の「Vino Nobile~」は、2年(樽18ヶ月もしくは、樽12ヶ月+ボトル6ヶ月含む)です。

サンジョヴェーゼは、今日のヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)の産地である現地モンテプルチアーノ(Montepulciano)ではプルニョーロ・ジェンティーレPrugnolo Gentile)と呼ばれています。
Sangiovese-Grosso
サンジョヴェーゼは突然変異しやすい品種で多くのクローンがあり、サンジョヴェーゼ・グロッソSangiovese Grosso)の系統とサンジョヴェーゼ・ピッコロSangiovese Piccolo)の系統に大きく分かれるとされています(1908年発表の品種学者 Girolamo Molon 氏の論文)。そして、ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)のプルニョーロ・ジェンティーレ(Prugnolo Gentile)はサンジョヴェーゼ・グロッソだとされています。他、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)のブルネッロ(Brunello)と呼ばれるサンジョヴェーゼもサンジョヴェーゼ・グロッソの方だそうです。これら「サンジョヴェーゼ・グロッソ」は、タンニンが豊富という点で他のサンジョヴェーゼの品種(サンジョヴェーゼ・ピッコロ)とは非常に異なり上質であると言われているんですが、なんと近年の研究では双方のDNAプロファイルに差異がないという結果が出ています。サンジョヴェーゼ・グロッソというのはより高品質なサンジョヴェーゼでもなんでもなく、ただのシノニムということになってしまったようです。


モンテプルチアーノのコムーネにあるデ・リッチを訪問しましょう。
DeRicci01
モンテプルチアーノの集落のド真ん中です。モンテプルチアーノの集落の一段高い所にある Palazzo Ricci という大聖堂の中がワイナリーですからね。モンテプルチアーノの町自体も歴史を感じさせ雰囲気がいいですが、デ・リッチの場所もすごいところにあり、さすが老舗という貫禄があります。


いつものトスカーナ州全体を俯瞰する地図で Vino Nobile di Montepulciano DOCG の場所(モンテプルチアーノのコムーネ)を確認しましょう。デ・リッチの場所もロゴで示してます。
Toscana_Map_Final_DRicci
実は今回このトスカーナ地図はバージョンアップしています。特にキヤンティ(Chianti DOCG)のエリアが広大でうまく表現できていなかったので改良しました。こうして見ると、Vino Nobile di Montepulciano DOCG も Brunello di Montalcino DOCG もキヤンティのエリア内にあることがわかりますが、どちらもキヤンティより先にDOC、DOCGになっていますので、キヤンティから派生したわけではなさそうです。(Vino Nobile~とBrunello~は1966年DOC認定、1980年DOCG化。キヤンティは1967年DOC認定、1984年DOCG化。)


ラベル平面化画像。
IMG_6870
「太陽の下にいるハリネズミ」のイラストがトレードマークです。


さあ、抜栓。
IMG_7735

コルク平面化。
IMG_7737
ここにもハリネズミ。

Alc.14%。
エッジから結構褐変のガーネット。
IMG_7733

黒ベリー、枯れた風味、プラム。
辛口アタック。
コーヒー感?
少し酸も主張します。
奥深さ、コク、貫禄ありです。
タンニンの心地よい収斂性とともに、
アルコール感も喉をくすぐり充実の余韻に入ります。
酸は最後まで少しバランスを崩してる感じがしました。

かなりいい線だと思うんですが、
非リゼルヴァで受けた感動は少なかったです。
期待が先行してしまったかな。


*****

De’Ricci
Soraldo
Vino Nobile di Montepulciano
Riserva 2016
RRWポイント 93点


De’ Ricci Vino Nobile di Montepulciano 2015

ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノです。「モンテプルチアーノの高貴なワイン」という意味ですから気分は上がりますね。その歴史は古く、中世の記録でも記述があるそうです。Vino Nobile di Montepulciano という言葉が歴史上初めて使われたのは1530年のことらしいです。因みにDOCに認定されたのが1966年、DOCGに昇格したのが1980年です。


IMG_4176
作り手の名前は「リッチ家」のワイナリーってことなんですが、リッチ家の歴史は1150年までさかのぼるそうです。歴史が古いだけあって、なんとモンテプルチアーノの集落の一段高い所にある Palazzo Ricci という大聖堂の中にワイナリーがあります。(1562年に建設されたという、モンテプルチアーノで最も美しいルネッサンス様式の宮殿の1つだそうで。)
ラベルに「太陽の下にいるハリネズミ」のイラストがありますが、リッチ家のご先祖様がハリネズミの行動を見ることで天気を予測することができたそうで、リッチョ(Riccio=イタリア語でハリネズミ)というニックネームをもらい、リッチ家の名前の由来になったそうです。


公式ページは歴史や施設・畑の説明はあるのに肝心のワインの紹介が見当たりません。

しかたがないのでインポーターの情報から。
・サンジョヴェーゼ 100%
除梗後、30%だけ破砕。アルコール発酵&マセラシオン後、新樽と900Lの樽(トノー)の混成で12ヶ月、その後25hl(2500L)の大樽に移しさらに12ヶ月熟成するそうです。その後ボトルでもう5ヶ月寝かせます。
Vino Nobile di Montepulciano DOCG の規定では、樽での12ヶ月を含む2年の熟成が義務付けられていますから軽々クリアしていますね。(因みに Riserva は3年です。)

品種は、現地でプルニョーロ・ジェンティーレ(Prugnolo Gentile)と呼ばれる、いわゆるサンジョヴェーゼを70%以上使うのが規定です。
Chianti02
サンジョヴェーゼは突然変異しやすい品種で多くのクローンがあり、サンジョヴェーゼ・グロッソ(Sangiovese Grosso)の系統とサンジョヴェーゼ・ピッコロ(Sangiovese Piccolo)の系統に大きく分かれる(1908年発表の品種学者Girolamo Molon氏の論文)とされてますが、近年の研究では、双方のDNAプロファイルに遺伝的差異がないため真偽のほどは定かではなくなっています。
因みにサンジョヴェーゼ・グロッソと言われているのが、ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)のプルニョーロ・ジェンティーレ(Prugnolo Gentile)です。他、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)のブルネッロ(Brunello)もそうです。


モンテプルチアーノの集落にあるデ・リッチを訪問します。
DeRicci01
モンテプルチアーノの町も歴史を感じさせ雰囲気がいいですが、デ・リッチの場所がすごいところにありますね。さすが老舗。中は教会の大聖堂のようになってます。


さて、ネットで拾ったトスカーナ州の地図で、モンテプルチアーノの町と Vino Nobile di Montepulciano DOCG の場所を確認します。
DeRicci02
ついでに他の主要DOC/DOCGも書き込みました。拡大してお楽しみください。(DOCG、DOC、キヤンティのサブゾーンで色を変えています。)

地形と産地の関係を見てみたいので、Google Mapの航空写真を重ねてみました。
Toscana_MapT
山間を縫うように各産地があります。トスカーナ州の北側はアペニン山脈になり産地が少ないようですね。


ラベル平面化画像。
IMG_3857
よく見るとハリネズミさん、かわいい…。


さあ、抜栓。
IMG_4172
キャップシールに「R」マーク入りです。

コルク平面化。
IMG_4173
こんなところにもハリネズミと太陽がありました。

Alc.13.5%。(pH:4.19、Brix:7.6)
クリア感あるガーネット。さすがにエッジは褐変。
IMG_4174

黒ベリー、アプリコット、胡椒、鞣し革。
熟成感がハンパない香りです。
辛口アタック。
乾いた感じの味わいかと思いきや、
タンニン分も加勢して、すごく立体感が出てきました。
表層の舌触りはシルキーなテクスチャーを感じます。
程よい酸味が盛り立ててるのにも気づきました。
余韻も苦味走りながらいいバランス続きます…。

う~ん、欠点がない。うまいです。
ピザとパスタに合わせましたがベストマッチでした。


*****


De’ Ricci Cantine Storiche
Vino Nobile di Montepulciano 2015
RRWポイント 94点


La Braccesca Vino Nobile di Montepulciano 2012

ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノです。
バローロやブルネッロ・ディ・モンタルチーノとともに、
1980年に最初のDOCG認定を受けたという伝統あるワインです。


IMG_5457


ラ・ブラチェスカという生産者ですが、
あのアンティノリが所有しています。
アンティノリはほんと手広くやってますね。
したがって、公式ページは「www.antinori.it」内にあります。
情報はワイン毎、ミレジム毎に詳しくていいですね。

所在は当然というかトスカーナ州のモンテプルチアーノにあります。
LaBraccesca03
首都フィレンツェから南下して車で2時間くらいでしょうか。

ワイナリー直撃したら、驚きです。
LaBraccesca01
ほぼトスカーナ州の端。ウンブリア州との州境にありました。

ストビューで近づけないのでアップされていた写真を拝借。
LaBraccesca02
さすがアンティノリ。きれいにしていますね。


ところで、DOCG Vino Nobile di Montepulcianoですが、
アブルッツォ州やモリーゼ州で作られるモンテプルチアーノ種と、
まったく関係がありません。
したがって、モンテプルチアーノ種はまったく入っていません。(笑)

で、何が使われているかと言うと、
2010年にDOCGの規定が変わったので、ちょっとややこしいです。
過去はサンジョヴェーゼ主体に白ブドウなんかも混ぜていたそうですが、
現在はプルニョーロ・ジェンティーレ(Prugnolo Gentile)が70%以上、
その他30%までカベソーやメルローなどの国際品種もブレンド可です。

実際、今日のアンティノリのこれは、
・プルニョーロ・ジェンティーレ 90%
・メルロー 10%
となっています。

プルニョーロ・ジェンティーレとは何ぞや?
ブルネッロと同じくサンジョヴェーゼ・グロッソに属す、
サンジョヴェーゼのクローンなのですが、
この地方でプルニョーロ・ジェンティーレと呼ばれているものです。
違いがどれほどあるのかわかりませんが、
「オラが村」感を出すために無理に名前を使ってる気もします。(笑)


さて、公式ページのワイン・ミレジム個別の情報を見ます。
アルコール発酵のあと大樽に移され、
MLFを含む熟成を12ヶ月やっているそうです。
ボトルに詰め、放置プレー(ボトル内熟成)でさらに12ヶ月。


ラベル平面化画像。
IMG_5291


ボトルのネックにもエンブレムがあってかっこいいです。
IMG_5467
(画像はワイン娘アプリで加工)


さあ、抜栓。
Alc.13.5%。
濃いルビー、エッジに赤味があります。
ブラックベリー、ブラックチェリーですかね。
コンポート様のような、ねっとりした香りに感じます。
スパイスもありますね。
酸味が先にくるアタックですが、きつくなくてOKです。
タンニンも主張してこようとするのですが、
厚みのある味わいが、それをなだめてくれるようないい感じです。
余韻は重ため(アルコール感)ですが長く続きます。

ブルスケッタに合わせましたが成功です。
ただ、サンジョヴェーゼなら上出来で高得点なのですが、
他の一般の偉いワインと比べるとちょっとパンチが弱いかな。
パーカーおじさんは90点つけたようですが、
まあ同意します。(笑)


*****


Marchesi Antinori
La Braccesca Vino Nobile di Montepulciano 2012
RRWポイント 90点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ


写真サイト:
最近ちゃんと写真撮ってますか?

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ