Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

WWWポイント:79-80点

Domaine Guy Allion Le Clocher Anjou Blanc 2020

初めて覗いてみた小さなワインショップで目に留まった1本。アンジューの白です。久しぶりのロワールの白。シュナン・ブランなのも楽しみですね。裏ラベルを見ると「マキコレワイン」とあります。あっ、これ間違いないやつです。6月18日はシュナン・ブランの日らしいですね。でも騒いでるのは南アの皆さんばかりのようですが。こちらは黙って本家を飲みましょう(笑)。

IMG_8198
作り手はドメーヌ・ギー・アリオン(Domaine Guy Allion)と言いますが、もともとは「Domaine du Haut Perron」という屋号だったようです。代々農業をやってきた家系でしたが、先代のギーさんが1968年からブドウ栽培に専念することにしたので創設はそのあたりということになっているようです。1990年に息子のセドリックさんがワイナリーを得てワイン作りを本格化させます。場所はトゥーレーヌ地区、ロワール川の支流シェール川(Cher)の畔、AOCトゥーレーヌ・シュノンソー(Touraine Chenonceaux)のエリアにあります。あれれ? アンジューじゃないんだ。

公式ページは立派なのがあるんですが、情報が取っ散らかっていてなんとなく使いにくし。

嫌な予感がしましたが、やはり AOCトゥーレーヌ 絡みが主力でアンジューが載っていません。

・シュナン・ブラン 100%

たぶん、です。「AOC Anjou Blanc」の規定では主要品種がシュナンとなっていて、80%以上がシュナン・ブランでないといけません。補助品種はシャルドネとソーヴィニヨン・ブランでこれらは20%を超えてはいけません。したがって、シュナン・ブラン以外がブレンドされている可能性は否定できませんが、まあ真相は闇の中です。

シュナン・ブランはロワールでは「Pineau de la Loire」というシノニムがあります。
CheninBlanc01jpg
シュナン・ブランは、2018年のDNA分析でサヴァニャン(Savagnin)と何らかの品種の自然交配で生まれたとされています。さらにこのシュナン・ブランとグエ・ブラン(Gouais Blanc)の交配から、バルザック・ブラン(Balzac Blanc)、コロンバール(Colombard)、ムスリエ・サン・フランソワ(Meslier Saint-François)といった品種が生まれたことが判明しています。

さあ、とりあえず作り手訪問と行きましょう。なかなか立派です。
Guy_Allion01
シュノンソー(Chenonceaux)の町からロワール川の支流シェール川(Cher)沿いに車で20分ほどのテゼ(Thésé)という小さな集落にあります。

アンジュー・トゥーレーヌの地図で確認してみます。ギー・アリオンの所在を記しました。
Loire_Anjou_Saumur_Touraine
アンジューのエリアからはずいぶん離れています。畑もわからないので広大なAOCアンジューの対象範囲のどこのブドウだかはわかりません。

今日のワインはアンジューですからアンジューのおさらいをしようかと思うんですが、以前描いたこの地図ってご覧のようにアンジューのエリアが切れてるんですよね(笑)。欲張って、アンジュー・ソーミュールとトゥーレーヌを一度に入れようとしたのがイケなかった…。どっちも端っこが切れてます(笑)。

そんでもって、ペイ・ナンテの地図の方にアンジューの続きが載っています。
Loire_PaysNantais
早まったというか、若気の至りでこんなことになっています(笑)。

え~い! せっかくなので新たにアンジューだけの地図を描きました~。
Loire_Anjou
アンジューが内包するソーミュールをはじめとするAOCを網羅しています。赤・白・ロゼ・甘・泡の種別も入れました。この辺りは甘口の銘酒が多いんですよね。しかしここ周辺はゾーンがめちゃくちゃ重なり合っていて平面に表現するのが非常に難しいのです。苦労して描きましたが、まあ、ほぼ描いた本人しかわかりません(笑)。

例えば、Anjou-Villages は色つきのベースを下に敷いてるんですが、上にいろいろ乗っかってるんでわかりにくいんですよね。アンジュー・ヴィラージュだけだとこんな範囲です。
Anjou_Villages
Google Map上の地図と見比べてふむふむと脳内補完してみてください(笑)。


いつものように参考にしてるのは「ロワール渓谷のワインの公式ページ」です。
carte-vignoble-val-de-loire-2019
この全ロワール地図が圧巻です。JPG化してこの画像にリンクをしておきました。(画像デカいのでクリックして驚かないように。)元のPDF版は、ロワール渓谷の公式ページ内のここに上がっています。

ロワール渓谷のワインの公式ページというのがこれ。

ページ内の地図はマウスオーバーで色が変わり、非常にわかりやすいです。


エチケット平面化画像。
IMG_8026
裏ラベルにザックリした地図をありがとう(笑)。「ANJOU」と書いてますが、単にアンジェ(Angers)の町の位置を示してるだけだと思われます。

インポーターシールには「マキコレワイン」の表示があります
IMG_8026m
10年余りフランスに在住した金井麻紀子さんがおいしいワインを探して紹介してくれているという、なんともありがたい企画ものです。過去にいくつか試させていただいてますが、確かにどれもおいしかったです。


さあ、抜栓。
IMG_8200

コルク平面化。
IMG_8195
DIAM3。ミレジムもしっかり入ってます。しかし… Vignobles Denis とは?

ググると…「Vignobles Denis」ありました!
Denis
ロゴはコルクと同じデザインで、しかもアンジューを出しています。ここに委託生産してるんでしょうかね。そうだとするとデータはここのが使えますね。データシートまでありました。なんと樽を使っているようです。
しかし、抜栓してわかる真実もあるんですね~。

Alc.14%。
薄いゴールドイエロー。
IMG_8197

青リンゴ。
パッションフルーツ。
甘み感じますが辛口アタック。
フルーティさの酸のおかげで心地よい味わいです。
カバヤのジューC感ありますが、それがおいしい(笑)。
喉越しからの余韻もフルーティさが続きます。
WWWポイント79-80点をつけましょう。
これはほぼ満点です。さすが、マキコレ。


*****


Domaine Guy Allion
Le Clocher Anjou Blanc 2020
WWWポイント79-80点



WhiteWhiteWine01

Domaine Blain-Gagnard Bâtard Montrachet Grand Cru 2017

シャサーニュ・モンラッシェにあるドメーヌ・ブラン・ガニャールです。
前にシャサーニュ・モンラッシェのプルミエ・クリュをいただいています。
なかなか良かったんですが、今日はそこのグラン・クリュをお試しです。
バタール・モンラッシェですが、「モンラッシェ」がつくと有難い感じがします。(笑)


IMG_0962
シャサーニュ・モンラッシェ村にはガニャールと名のつくドメーヌが多く、
みんなブルゴーニュの名門ガニャール家の系統だそうです。
その本筋にあたるのがドメーヌ・ガニャール・ドラグランジュ
(Domaine Gagnard-Delagrange)で、そこのご令嬢クロディーヌさんと、
ジャン・マルク・ブラン(Jean-Marc Blain)さんが結婚したことで、
1980年にドメーヌ・ブラン・ガニャールが誕生したそうです。


公式ページはなく、シャサーニュ・モンラッシェの組合サイトで兼ねてるようです。

古くさいFLASHベースなのでプラグインを入れないと見にくいです。
一応、最小限の基本情報が載っています。
所有畑の55%がシャルドネで、残り45%がピノ・ノワールだそうで、
割と赤もたくさん作ってるようですね。
新樽率15~30%のオーク樽で11ヶ月熟成するそうです。(赤は15~17ヶ月)


シャサーニュ・モンラッシェ村のドメーヌ訪問。
Chassagne02
前回の訪問写真の再掲です。

シャサーニュ・モンラッシェのAOC地図上で見るとこうです。
Blain_Gagnard01
バタール・モンラッシェ(Bâtard-Montrachet)、モンラッシェ(Le Montrachet)、
クリオ・バタール・モンラッシェ(Criots-Bâtard-Montrachet)と、
シャサーニュ・モンラッシェ側のグラン・クリュを3つも所有しています。
モンラッシェはシャサーニュ側の場合「Le」がついてLe Montrachetと呼ぶようです。
ドメーヌとこの3つのグラン・クリュを赤マークしましたのでご確認ください。

やはりGoogle Mapに転記しないとピンときませんね。(笑)
Blain_Gagnard02
ピュリニー・モンラッシェ含め広域の地図にしたので、位置関係理解しましたよ。
で、シャサーニュとピュリニーにまたがるグラン・クリュのおさらいもしましょう。
全部モンラッシェがつき、いくつかは2村にまたがるのでややこしいですね。
まず、Bâtard-Montrachet(Le) Montrachetが双方の村にまたがってます。
Criots-Bâtard-Montrachetはシャサーニュ・モンラッシェ側のみ。
Chevalier-MontrachetBienvenues-Bâtard-Montrachetの二つは、
ピュリニー・モンラッシェ側のみでしたね。(地図を拡大クリックしてね。)


地図をよく見ると、Bâtard-Montrachet、Criots-Bâtard-Montrachet、
Bienvenues-Bâtard-Montrachetは、1級畑と隣接してると思いきや、
大部分が村名畑と接しています。
実際に行ってみると、道を隔てただけで大きな違いは感じません。
Chassagne03
小道1本隔てて2ランク格が違うわけですよ。不思議ですね。
まだ、1級畑と特級畑が隣接してれば納得いくんですがね~。
誰か、地層が~、水捌けが~、斜面が~とか科学的に説明して!(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_0963
紋章は「B」と「g」の組み合わせですね。Blain-gagnard、なるほど。


さあ、いただいてみましょう。
Alc.13.5%。
澄んだゴールドイエロー。
IMG_0972

ナッツ、バニラ、じゃ香のような樽香からやってきます。
スワリングでやっとフローラルな果実香が奥に漂うのがわかりました。
蜜を水に溶いたような口当たりですが辛口です。
味の輪郭が実感できますが、総じて弱い気もします。
いいように言えば「繊細」。
よって、アルコールのボディ感を強めに感じますね。
でも、喉越しから余韻にかけ、「おっ!」という貫禄が出てきます。

さすがグラン・クリュ。これを傑出してると言うんでしょう。
微妙な点数のつけ方にしましたが…。(笑)


*****


Domaine Blain-Gagnard
Bâtard Montrachet Grand Cru 2017
WWWポイント 79-80点



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--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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